【読解力を伸ばすコツ②】一つの物語(白狐魔記)を深く読んで楽しさを広げる
最近、私と次男が読んでいる本「白狐魔記」をご紹介しながら、物語を読んで読解力を伸ばしたり、興味を広げていくコツをお伝えします。
作者の斉藤洋さんについて
児童文学作家の斉藤洋さんは、以前のブログでもおすすめ本を紹介していますが、わが家の息子たちも小さな頃から読ませていただいている大好きな作家さんの1人です。
(↓斎藤洋さんの低学年向けの作品を紹介しています)
斉藤洋さんはドイツ文学者でもあり、亜細亜大学経営学部の教授としての経歴もあります。ちなみに、作家として活動されるときは“斉藤洋”、ドイツ文学者として活動されるときは“斎藤洋”と表記されているようです。(斉藤洋さんについての詳細はこちらをご参照くださいね。)
児童文学者としては、幼児から読める絵本や動物が主役の創作童話、史実をもとにした作品や海外文学の再話など、幅広いジャンルの本をたくさん出されていて、本当に尊敬すべき作家さんです。
親子で読める「白狐魔記」
最初に斉藤洋さんの本にハマったのは本好きの長男で、学校の図書室や図書館でいろいろ借りてきて、私や次男もすすめられて読み始めました。
中でも、息子たちが一番ハマっていたのが「白狐魔記(しらこまき)」のシリーズです。
主人公は狐の白狐魔丸(しらこままる)。普通の狐だった彼が仙人に仙術を学んで不老不死となり、人の姿になって歴史上の人物たちと様々なやり取りを繰り広げます。
現在7巻まで発行されていて、息子たちは小学生の頃に6巻まで読んでいます。最初は長男が高学年の時に学校で借りて読み始め、低学年だった次男も兄にすすめられて読んでいました。史実をもとにしたお話なので、次男に理解できるのかな?と思ったのですが、「面白い」といって6巻までどんどん読んでいました。一見、表紙も地味なので難しそうに感じますが、わりと文字も大きく、中学年くらいから物語は理解できると思います。児童向けですが大人も充分楽しめる内容です。
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1~7巻のタイトルと発行年は下記のとおりです。
- 源平の風 (1996年)
- 蒙古の波 (1998年)
- 洛中の火 (2000年)
- 戦国の雲 (2006年)
- 天草の霧 (2010年)
- 元禄の雪 (2012年)
- 天保の虹 (2019年)
“深く読む”とは
私はこの「白狐魔記」をちゃんと読んでなかったので、最近、ふと図書館で借りて読み始めました。1巻の「源平の風」を読んでいると、「懐かしい」といって次男も読み始めました。最初に読んだときは小学2~3年生だった彼も今は中学1年生。日本史も習っているし、内容は以前より理解できたようです。「前に読んだ時よりも面白い」といって私より早く1巻を読み終え、「もう1回全部読みたいから、また借りてきて」と言っていました。
1巻の「源平の風」はタイトルからも分かるように、源平の戦いが舞台で、源義経や家臣の佐藤忠信や弁慶なども登場します。
この物語では、史実上の人物の、教科書ではわからない人柄や感情などが感じ取れるので、読み込むほどに面白さが増します。また、歴史に詳しい人なら、どこまでが史実でどこからがフィクションなのかなどを考えながら読んだり、歴史書と照らし合わせながら読んだり、とさらに興味が広がっていきます。
次男は、「前に読んだときはよくわからなかったけど、歴史の授業で習ったから話がよくわかった。先生が佐藤忠信の話をしていて、その人が白狐魔記にも出てきたから面白かった」と言っていました。大人でもよく、「前に読んだ本をもう一度読んでみると、全然感じ方が違った」ということがありますよね。知識が増えたり、経験を積んだりしてからまた読むと、同じ本でもまた違った読み方ができます。
物語を“深く読む” とは、このように
- 同じ本を繰り返し読む
- 同じ本を、時間をおいて(数年でも)また読む
- 登場人物の気持ちを想像してみる
- 物語の背景を調べてみる
- 同じシリーズを読みすすめる
- 同じ作者の本や関連本を読んでみる
- 周りの人(家族や友だち)と感想を言い合う
などが挙げられます。物語を深く、じっくりと読むことで、より面白さも感じられますし、知識も増えます。読解力や想像力はもちろん、親子で感想を言い合うことで思考力や表現力なども伸びるので、お子さんのお気に入りの本で“深く読む”ということを意識してみてくださいね。
引き続き、私と次男は「白狐魔記」シリーズを読んでみます。長男も最後の「天保の虹」は読んでいないので、読みたいと言っていました。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!