親子で読書コーチング

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【夏休みの宿題対策】読書や作文が苦手でも大丈夫!親子で取り組む「読書感想文の書き方」

8月も半ばを過ぎると、親御さんたちはお子さんの宿題の進み具合が気になってきますよね。
そこで今回は、悩みがちな「読書感想文の書き方」について簡単にお伝えしたいと思います。

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本を決める

本は「好きな本」より「書ける本」

読書感想文を書くにはまず、どの本を読んで感想を書くかを決めなくてはいけませんが、ここからつまずいてしまうお子さんも多いようです。お子さん自身に本選びを任せて、「好きだから」とか「面白かったから」という理由で決めると、いざ原稿用紙を前にして書き出そうとしても内容がふくらまず、規定の枚数(文章量)がなかなか書けないという事態になります。

そうならないために、本を決めるときは「この本で感想文が書けるか」という視点で考えてみることを、親御さんからお子さんにアドバイスしてあげてください。

 

ポイントとしては、ただ「面白かった」「感動した」という感想だけでなく、

  • 具体的に、どこが面白かったか、なぜ感動したのかなどが述べられるか
  • 自分の体験などと比較して感想を述べられるか
  • 自分ならどうするか、など考えが述べられるか
  • この本を読んだことで考えが変わったことなどがあるか

など、イメージや考えがふくらむ本であるかどうかを、決める際にチェックしておくとかなり書きやすくなります。

 

「感想が書ける本」の選び方

理想は、夏休み前から数冊本を読み、その中から、感想文が「書けそうな本」「書きたい本」をお子さん自身が選ぶ方法ですが、なかなかうまくいきませんよね。
特に、読書が苦手なお子さんの場合や「じっくり本を選んでいる時間がない!」というときは、お子さんに任せず親御さん主導で本を決めたほうがいいかもしれません。その場合も、無理強いはせず、それとなく誘導するような感じですすめてみてください。

以下に、「感想が書きやすい本」を選ぶポイントを挙げてみました。

  • 課題図書や推薦図書から選ぶ
  • 学校の先生や図書館の司書さんおすすめの本リストから選ぶ
  • これまでに読んだ本で特に面白いと感じたり、感動したりした本から選ぶ
  • 親御さん目線で「この本なら感想文が書けそう」という本をすすめる

 

本を読む

まず付箋を用意

本が決まったら、読み始める前に、“付箋(ふせん)”を2種類してください。本にペタペタ貼っていくための細長いタイプと、感想を記入するための四角いメモ型の2種類です。

 

読みながら付箋を貼る

本を読みながら、細長い付箋を「面白かった」「ドキドキした」「ハラハラした」「驚いた」「ジーンとした」など印象に残ったページに貼っていきます。
付箋に「感動した」など簡単な感想を書きこんでから貼ってもわかりやすくていいですが、何も書かなくてもいいので、どんどん貼りながら読んでいきます。

 

メモ型付箋に感想を書く

思いつくまま書く

本を読み終わったら、メモ型付箋に感想を書いていきます。箇条書きでいいので、思いつくまま、どんどん書いていってください。実際に感想文に書くかどうかはまだ考えずに、たくさん書いてください。

 

質問形式で感想を引き出す

お子さん自身であまり感想が出てこない場合は、親御さんが「このシーンはどう思った?」「どうして面白いと思ったの?」「〇〇ちゃんだったら、こんなことがあったらどうする?」などと聞いてみて、お子さんから感想を引き出してください。


低学年の場合や、この過程ですごく時間がかかってしまう場合は、メモに記入するのも親御さんがしてあげてもいいと思います。書くことに苦労して、いい感想が出てこないこともあります。親御さんの“質問力”でお子さんから、“感想文に使える”いい感想を引き出してください。

 

メモで構成を考える

「はじめ・なか・おわり」の3構成に

感想文の構成を「はじめ・なか・おわり」で考えるため、感想を書いたメモを3つに分けていきます。


「はじめ」は書き出しの部分ですが、ここには感想だけでなく、あらすじやこの本を読もうと思ったきっかけ、作者についてなどを書いてもいいです。

「なか」は感想や自分の体験、考えなどを書いていきます。

「おわり」はまとめの部分です。感想の中で一番伝えたいこと、作者の考えや本のテーマについて思ったこと、自分の考えの変化や目標などを書いて全体をまとめます。

 

構成を考えてメモを選ぶ

この3構成を意識しながら、感想を書いたメモを分類していきます。食卓など広いスペースに3つのゾーンを設けて、メモを分けていくとスムーズです。ここでは普通のメモ用紙ではなくメモ型付箋を使っているので、ペタペタ貼り替えながら分類できるようになっています。

 

分類した後は、書かなくてはいけない文章量や内容を考えて、余分なメモを省いていきます。足りない場合はメモを書き足していきます。感想以外に書きたいこと(あらすじ、作者のこと、自分の目標など)もメモ書きしておくと、構成が考えやすくなります。(これらの作業は、親御さんもお子さんと一緒にしてあげてくださいね)

 

感想文を書く

原稿用紙に書いていく

構成がまとまったら、文章にしていきます。原稿用紙の書き方は学校で習ったとおりに(わからない場合はネット等で親御さんが調べて教えてあげてくださいね)、形式にそって書いてください。

 

タイトルは、できれば「〇〇〇〇〇(本の題名)を読んで」という題ではなく、ひと工夫したものにすると、全体の出来栄えが上がります。
様々な読書感想文コンクールの入賞作品がネット上で読めるので、タイトルの付け方や文章の書き方の参考になります。感想文を書き始める前に、親子で読んでみてください。

 

本文はメモを参考にしながら書いていきますが、文章力はお子さんによって違うので、親御さんが適宜サポートしてあげてくださいね。

 

読んでみて修正する

書き終わったら、内容や文の流れがおかしくないか、声に出して読んでみてチェックしてください。

  • 文末が「です・ます」と「だ・である」が混ざっていないか
  • 一文がだらだらと長くなっていないか
  • 同じようなことを書いていないか
  • 誤字・脱字がないか

などをチェックしながら修正していきます。書き直すのは面倒くさい作業なのでお子さんは嫌がるかもしれませんが、親御さんがはげましながらトライしてくださいね。

 

まとめ

読書感想文の書き方はいろいろありますが、今回ご紹介した方法は、付箋を使いながら親御さんのサポートのもと読書感想文を仕上げる方法です。
低学年のお子さんや、読書や作文が苦手なお子さん向けになるべく、てっとり早く仕上げられる方法を考えてみましたが、自分で本を読み取る力や書く力があるお子さんには、親はなるべく口出しせず、自分でしっかり考えて書くよう見守ってあげてくださいね。

当記事が少しでも、「読書感想文」に悩む親子の参考になれば幸いです。
今日も長文をお読みいただき、ありがとうございます!