こんにちは!
そろそろ10月ですが、秋の気配を感じるというよりは長引く残暑に戸惑っている人も多いのでは?
秋と言えば、「食欲の秋」がまず思い浮かぶ私。そして次に「読書の秋」。
美味しいものを食べながら、親子で話をしたり、食べ物が主役の絵本を読んだり、ゆったりと秋の時間を楽しみたいですね。
今回は、そんな時にもぴったりな2冊の絵本をご紹介します。
食育にも役立ちますよ!
運命を受け入れた子牛の物語
最近SNSやYouTubeなどでも話題になっている絵本が『もうじきたべられるぼく』。題名からして衝撃的ですが、ラストも「そうくるか…!」と驚きがあり、しんみりとした余韻が残ります。
もうじきたべられるぼく
はせがわゆうじ・作 中央公論新社
- 価格: 1540 円
- 楽天で詳細を見る
作者はイラストレーターのはせがわゆうじさん。色鉛筆やクレヨンなどの画材で、ふんわりとしたタッチの絵を描いています。ストーリーは、もうじき食べられる牛の“ぼく”が主人公で、しずかに自分の運命を受け入れていく様子や最後の思いに深く考えさせられます。
この絵本は、タレントの山口もえさんもおすすめしていて、YouTubeで読み聞かせ動画をアップしていますよ。
https://www.youtube.com/watch?v=3QNEyQ1yb_k
また、この絵本をテーマにした歌も作られていて、可愛らしい歌声が人気の“ののちゃん”(村方乃々佳ちゃん)と、シンガーソングライターの“かっきー”(柿島伸次さん)が哀愁たっぷりに歌っています。
https://www.youtube.com/watch?v=e8kcQhlQa0I
この絵本を読むと、普段何気なく言っていた「いただきます」をより心を込めて言いたくなりますね。命や生き方についても、ちょっぴり考えさせられます…
よりリアルにわかる食肉のこと
『もうじきたべられるぼく』を読んで思い出す1冊の絵本があります。それは、同じく食肉をテーマにした絵本で、よりリアルに食肉解体の現場やそのお仕事に携わっている人を描いた『いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日』です。
絵本 いのちをいただく
みいちゃんがお肉になる日
坂本義喜・原案 内田美智子・作 魚戸おさむとゆかいななかまたち・絵
食肉センターで食肉解体のお仕事をしている坂本さんと、その息子のしのぶくん、“みいちゃん”という牛を育ててきたおじいさんとその孫の女の子が登場する、実話をもとにしたお話です。
この本は、私が息子たちの小学校で図書ボランティアをしていた時に、教室での朝の読み聞かせに参加した時に何度か読んだ思い出の絵本でもあります。
私は、正直に言うと、『もうじきたべられるぼく』よりも、こちらの絵本のほうが泣けます…。食肉解体業や畜産業といったお仕事をされている方とその家族の葛藤や、牛のみいちゃんの気持ちまでもが痛いほど伝わってくるようで…
小学校で読み聞かせをした時は、たぶん3年生か4年生だったと思いますが、どういう反応があるのか少し不安でした。通常、子どもたち相手の読み聞かせでは、読んだ後に感想を聞いたり、読み手の思いなどを伝えたりしません。この時も、子どもたちはしずかに聞いてくれ、こちらは途中、少し泣きそうになるページがあるのですがなんとかこらえて読み終えました。子どもたちは何も言いませんでしたが、何かを受け取ってくれたように感じました。
そして、いつもなら、読後は担任の先生がすぐ子どもたちに「図書ボランティアのかたにお礼を言いましょう」などと声をかけてくださるのですが、この日は先生(20代の女性の先生でした)が無言でしばらく動かず…。どうやら絵本の内容に衝撃を受けたようで、なかなか言葉が出てこない様子でした。この先生は、音楽会の時も指揮をしながら、子どもたちの歌声に感動して泣いてしまうくらい感受性の強い方。この絵本を再度読み直してみて、そんな読み聞かせでの出来事や先生のことも懐かしく思い出しました。
食育や生き方のヒントにも
今回ご紹介した2冊は、どちらも食育につながる絵本です。お子さんに読んであげると、食事の時に変化があるかもしれません。生き物や食材、命などについて考えてみるきっかけにもなりそうです。
『もうじきたべられるぼく』は、幼児や小学校低学年のお子さんへの読み聞かせにおすすめです。『いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日』はもう少し大きいお子さん(小学校中学年~)に。いろんな職業があることを知るきっかけにもなります。
どちらも大人の心にも響く絵本なので、ぜひ親子で読んでくださいね。